へやばこ

全部足の指で打ってる

アイドルや自撮ラーに関する雑記

 僕は昔からテレビに出てる女性タレントやアイドルに全く興味を持ったことがなかった。特にアイドルは。ガッキーかわいいなあとか思ったことはあるがわざわざドラマ見たりだとかそういうのはしたこと無かった。こういう男性世の中には結構いると思う。

 

 

 断じて異性に興味が無いわけでは無い。小、中学校までは友達の雰囲気に合わせてほぼ一切のシモネタを発したことは無かったが、ひとたび家に帰れば不健全なインターネットに入り浸るデジタルネイティブ・ムッツリスケベであった。隣のクラスには好きな女の子がいて廊下ですれ違うたび悶々とするなど立派な思春期を過ごした。なのに、アイドルには一切興味を持てなかった。

 

 

 高校に入るとバンドをやるようになってライブハウスなどという場所に足を運ぶことも多くなったが、そこで地下アイドルという存在を間近で目にすることとなった。

 不特定多数の異性に、触れるか、触れないかの距離から愛嬌を遠慮なく振りまき、歌い、踊る彼女たちの姿はあまりにも胡散臭くて、楽屋で僕は耳に手を当ててふさぎ込んでしまったほどだ。この頃から、自分は必要以上に、アイドルという人格を拒否してしまう人間なんだと知った。

 

 

 同じ頃に初めて携帯を買ってもらった。初めてのSNSとの出会いでもあった。そこで自撮りという、記念撮影とは意義の違う文化を知った。

 クラスの友達が、名前だけしか知らない先輩が、名前も知らない誰かが、惜しげもなく自分ひとりの笑い顔、困り顔、アンニュイな顔を披露して適当な文言とともにネットにアップロードしていく姿を見るたびに、脳みそをつんっと突っつかれるような嫌悪感を感じた。その顔がどれだけ端正なものであっても、自撮りをアップするような女の子に興味を持つことができなかった。周りの友達がそれを見て「かわい~」とか言ったりしていると寂しい気持ちになった。

 「見てこれこんなぶっさいくなのに!」などと言いながら誰かの自撮り写真をネタにした投稿などを見ると怒りすら湧いてきた。被写体がイケメンだろうが美人だろうが不細工だろうがみんな一緒だ。自撮りする奴なんてみんな一緒だ!!!!何偉そうに言ってやがる!!

 

 

 でも、僕のこのような性格は自分のネガティブさを他人に押し付けているだけなのかもしれない。僕は自分の見た目に全く自信が無い。僕がこんなに顔に自信がないのだから、君たちもそうであるべきだ!という、自分でもびっくりするくらい傲慢な意識が脳みその底の方で働いているのかもしれない。これくらい卑屈にならないと、世間様に顔向けできない。

 多分だけど、大抵の人は程度は違えどナルシストだ。それは全く醜い性質じゃない。僕一人が醜いと思っても、世間一般の人がそう思わないのなら、ナルシストは全く悪いことじゃない。だけどナルシスト達はなぜかビジュアルの程度によってお互いを格付けしたがる。不細工なナルシストは徹底的に攻撃を受ける。その事実に、僕は矛盾を感じた。だからといって何が起きるわけでもなかった。

BOOK-OFFに関する雑記

 僕はブックオフによく行く。今日も行った。

 あの空間ーーー

 中学生、高校生、小汚いオッサン(小綺麗なオッサンはブックオフにいない)、どことなくオタクっぽい女性(どことなくオタクっぽくない女性はブックオフにいない)など老若男女様々な人間が目をギラつかせ、中古の漫画と睨み合っている、なんとなく退廃的なあの空間ーーー

 正直なところ、苦手である。それなのに僕は数年間もの間、月に何回かはそこに足を運んでしまっている。

 

 

 僕は生活をしていると、ある日突然

「散財をしなさい.......」

 という神からの啓示を受けることが頻繁にある。神の啓示なので、それに従うしかない。

 そこで経済的なハードルと十分満足できるという二つの条件を連立させて方程式を解くと、結局中古の漫画本を買うという解が得られるのである。そして僕は時速15キロの速さで15分かけてブックオフへと走る。チャリで。

 

 

 店に入ると大抵の人は立ち読みをしている。ほぼ座り込んでいたり、売り物の漫画が積んである机の上にこれから読む予定の物を山積みにしているモンスター客は珍しくない。そしてそれを店員は咎めない。ここは無法の世界である。

 ソロで来ている男子中高生はほぼ間違いなくHな漫画を捜し求めている。キョロキョロという音が出るのを殺して周辺の客の視線を伺い、期待できそうなタイトルの物の表紙と中身を確認し、戻す。これを往復するのが彼らの主な任務である。

 この「準エロ本チェック」は僕が実際にやっていた行為そのものである。というか今もやってる。誰にも伝授した覚えは無いけれど、まるで僕と同じ遺伝子を持っているかのように、彼らも同じ行動に走っていく。僕はもうそのような年齢ではないが、まだ確実には本物のH本が買えない年齢の彼らにとって、これはさしずめ狩猟の練習といったものだろうか。誰に教わるでもなく、狩りの本能が彼らを突き動かすようだ。

 

 

 ブックオフはある意味すごくパーソナルな空間だと思う。だから、学校帰りの中学生数人組や、親子連れ(!)といった形でやってく客を見ると、僕はなんだかいてもたってもいられなくなってしまう。常連の僕が言うのもなんだけど、なんだってこんなひどい場所に知り合いを連れてこられるのだろう。僕の感覚としては行きつけの公衆トイレを紹介する事と同義である。彼らには連れションみたいな感覚だろうか。連れションの心理もわからないけれど。

 

 

 僕はあまりブックオフが好きではない。しかし悲しいかな、間違いなく僕はブックオフの住人だ。なぜなら今日も、30分ほど「アドルフに告ぐ」を立ち読みした後、ギャグ漫画2冊をカモフラージュに、チャンピオンいちごREDの漫画を買って帰ったのだから。。。。。