へやばこ

全部足の指で打ってる

BOOK-OFFに関する雑記

 僕はブックオフによく行く。今日も行った。

 あの空間ーーー

 中学生、高校生、小汚いオッサン(小綺麗なオッサンはブックオフにいない)、どことなくオタクっぽい女性(どことなくオタクっぽくない女性はブックオフにいない)など老若男女様々な人間が目をギラつかせ、中古の漫画と睨み合っている、なんとなく退廃的なあの空間ーーー

 正直なところ、苦手である。それなのに僕は数年間もの間、月に何回かはそこに足を運んでしまっている。

 

 

 僕は生活をしていると、ある日突然

「散財をしなさい.......」

 という神からの啓示を受けることが頻繁にある。神の啓示なので、それに従うしかない。

 そこで経済的なハードルと十分満足できるという二つの条件を連立させて方程式を解くと、結局中古の漫画本を買うという解が得られるのである。そして僕は時速15キロの速さで15分かけてブックオフへと走る。チャリで。

 

 

 店に入ると大抵の人は立ち読みをしている。ほぼ座り込んでいたり、売り物の漫画が積んである机の上にこれから読む予定の物を山積みにしているモンスター客は珍しくない。そしてそれを店員は咎めない。ここは無法の世界である。

 ソロで来ている男子中高生はほぼ間違いなくHな漫画を捜し求めている。キョロキョロという音が出るのを殺して周辺の客の視線を伺い、期待できそうなタイトルの物の表紙と中身を確認し、戻す。これを往復するのが彼らの主な任務である。

 この「準エロ本チェック」は僕が実際にやっていた行為そのものである。というか今もやってる。誰にも伝授した覚えは無いけれど、まるで僕と同じ遺伝子を持っているかのように、彼らも同じ行動に走っていく。僕はもうそのような年齢ではないが、まだ確実には本物のH本が買えない年齢の彼らにとって、これはさしずめ狩猟の練習といったものだろうか。誰に教わるでもなく、狩りの本能が彼らを突き動かすようだ。

 

 

 ブックオフはある意味すごくパーソナルな空間だと思う。だから、学校帰りの中学生数人組や、親子連れ(!)といった形でやってく客を見ると、僕はなんだかいてもたってもいられなくなってしまう。常連の僕が言うのもなんだけど、なんだってこんなひどい場所に知り合いを連れてこられるのだろう。僕の感覚としては行きつけの公衆トイレを紹介する事と同義である。彼らには連れションみたいな感覚だろうか。連れションの心理もわからないけれど。

 

 

 僕はあまりブックオフが好きではない。しかし悲しいかな、間違いなく僕はブックオフの住人だ。なぜなら今日も、30分ほど「アドルフに告ぐ」を立ち読みした後、ギャグ漫画2冊をカモフラージュに、チャンピオンいちごREDの漫画を買って帰ったのだから。。。。。